由布院温泉

(昭和12年頃の観光案内)
 別府市の西空高くそびえる。端麗な由布嶽(俗に豊後富士)の西麓、海抜480メートルの高地に、由布川の美しい流れのあるところ、東西6キロ、南北3キロの盆地を形成し、諸温泉が散在している。一括して由布院温泉と呼んでいる。この一帯は湧泉豊富にして随所に湯煙を上げている。またここは九州の軽井沢といっている程に夏涼しく、蚊帳を要しない。ことに朝霧の大観と蛍の美観は浴客の目を楽しませる。
 由布嶽は海抜1584メートル、温泉場から頂上まで4キロ。
 なお温泉付近には金鱗湖、宇奈岐神社、八山地獄、大杵社の大杉、志高湖などハイキングに格好の箇所が多い

土産品;高原の蜂蜜、巻柿、ぜんまい

交通:北由布駅から1キロから3キロの間に散在し、自動車50銭から80銭

泉質:透明の炭酸泉

旅館:(湯の坪)日の春、佳の江、久留米屋(宿泊料は2円以上4円)
(田中市)山水館、富士館
(乙丸)鶴の屋、金屋、一休一
(塚原)勢喜屋、宇佐屋、櫻屋、泉屋